ここにいる

































ぬるぬるなェロあり。
啼かせてみたりしてます。
それ相応の年齢の方だけ、で。すいません。


































目をゆっくりと開くと深淵の闇。
否、闇というのは語弊があるだろうか。
丁度目の前に横筋に走る隙間がある。そこから朧げな光が侵入ってきていた。

仄暗い、という表現の方が的確だ。


『ここ、どこだ…?』


腕を動かそうと試みるが、何か薄くて固いものにすぐにぶつかった。
仄暗いながらも目を凝らして見れば、自分は矢鱈に狭い部屋に立っていることが解った。
いや、部屋、というよりは、
箱。

丁度自分が居てぴったりのサイズ。
上も下も左右も。
手も足も動かせないぐらいにぴったりと。

ここはどこなんだ、という疑問が高まり、そういえばと今更の様に目の前の隙間から外を覗いてみた。

電気の落とされた、見慣れた部屋。


『ここは…』


彼は驚愕した。


『部室じゃねえか』


見慣れているも何も、そう、自分が通っている学校の、自分の所属する男子テニス部の部室。
ぺたり、ともう一度彼は側面の壁を触った。
ひんやりとしていて、薄い、やや硬質の壁。


『ロッカー、か?』


そして、もう一度隙間から部室を眺める。
この位置は、確かにロッカーのある位置だ。
ロッカーの中に入って確かめたことはないけれど、今、此所から見えるベンチや小窓、出入り口の配置から言って間違いない。


『…よりにもよって、何で俺はロッカーの中に…?』


さっぱり意味が判らない。
これまでの記憶を辿ろうとするが、何故か今より前の記憶は思い出せない。
まるで、それまでの記憶は無い、とでも言うかのように。

頭を捻って思い出そうと試みているその時、今迄停まっていたかの様に聴覚が働きだし、部室の外からボールの跳ねる音、部員の声が聞こえた。
彼の思考は途絶え、別の方向へと向いた。


『やっべ、部活中かよ…。サボってるなんてばれたら手塚部長にどやされる!』


兎に角、ここから出なければ。
そう思い、彼は目の前の壁――彼の考え通りならそれは壁ではなく、ロッカーの扉ということになる――を押しやった。

が。

目の前が開けてくる気配はない。
確かに腕に力を入れて押している筈なのに、数ミリも動いた感触はない。


『…っれ?っかしいな…。』


困惑しながらも、彼がもう一度腕に力を込めた時。


がちゃり。


何かが開く音がした。
彼は反射的に視線を上げ、隙間から外界を見た。

部室の出入り口である扉が開いている。
不意に向こう側から人影が現れた。
肩幅も狭く、身長もまだ低い。
逆光で顔は見えないけれど、確かにその背格好には見覚えがある。

向こうからやってきた人物が不意に頭部に手をかけ、何かを取ってそれを床へと投げた。
ぱさり、と微かな音を起ててそれは床を滑った。

見覚えのあり過ぎる、白い、キャップ帽。


出入り口から差していた光が不意に止む。
そして先に入って来ていた人物の背後から背は高いけれど華奢な影。

その影が光を遮ったことにより、先の人物の顔が露になった。
『彼』は背後のその人を見上げた。
その横顔は。


『越前!』


咄嗟に箱の中から声を出そうとするが、上手く声帯が震えなかった。
声が、出ない。

後に入って来た人物が後ろ手に扉を閉めた。
完全に遮光された事でもう一人の顔も判別した。

フレームレスの眼鏡に左右に流れる髪型。

「今日だけだぞ…越前」
「わかってますって、部長」


『手塚部長…!?』


彼の驚きの剰り瞑目していると、その視線の向こうで手塚が纏っていたレギュラージャージから音も無く腕を抜いた。
そして、それはリョーマのキャップと同様に床へと無体に放られる。

彼の視線は床への動く。

「ダメだって、脱がすのはオレがするって言ったでしょ?何勝手に一人で脱いでんの?」

リョーマの苛立たし気な声に落としていた視線を上げると。

ダンッという強烈な音と同時に彼の唯一の視界の隙間の半分を何かが覆う。
それが手塚で、しかも彼の首筋から背中の部分だということに気付くのに彼は数秒の時を有した。
丁度、手塚が自分の居るロッカーに押し付けられる形を取らされている、という事態に気付くには更に時間がかかった。
そして、手塚をロッカーに押し付けたのはリョーマだということにも。

「痛い」
「だって、アンタがいつまで経っても判らないからじゃん」

彼の視界の半分を埋め尽くしていた手塚がずるり、と少しばかり下に動く。
自分から膝を折って下降した、というよりは下から何かに引かれて無理矢理動かされた、という感じだ。


隙間から何か細いものが幾つも内部に入ってきた。手塚の髪だ。
丁度視界には手塚の後頭部が映っているらしい。
そして、その手塚の頭部の向こうには、眸を優しげに閉じたリョーマの顔が半分。

くちゅり、と何か水音がした。
水音、というには剰りに卑猥に感じられる音が。

「…ん」

そしてその水音の挟間を縫って、普段彼が聞いたことも無いような手塚の吐息にも似た声。
手塚の向こう側に見えるリョーマの顔の角度が変わった。


『……。待て。何が…』

何がここにいる自分の向こう側で起こっているのか。
想像するには容易い。
容易いが、果たしてその回答でいいのか。

彼は逡巡した。

その彼の逡巡の間にも、目の前の行為は先に進む。
視界の中の手塚の髪に指が不意に現れる。

リョーマが手塚の髪を梳いた。
その動きは愛おしそうに、なんとも柔らかい手付きで。


目の前でそんな風に蠢く指を見て、彼は先程浮かんだ回答が正解であった事を知る。
元から動かせない体ではあったが、それに硬直と戦慄が加わって、更に動けなくなった。



手塚越しのリョーマの顔が自分の視界の下方に沈む。
手塚が首筋を弓形に反らせたのか、隙間から入り込んで来ていた髪の先端が抜け出て行った。
それに続く、ぴちゃりと何かが湿らされる音。

「…部長、今日、後ろからやりたいな」

甘える様な強請るリョーマの声音。


『……!おいおいおいおい!?後ろ!?後ろって…!!!』


「立ったままか?」
「そ。アンタがちょっと腰折ってくれればできるからさ。ロッカーにでも手付いてれば安定するでしょ?」

何でも無い会話の様に視界のすぐ前の二人は飄々と話す。
気が付けば彼は、唯一の視界であるその隙間から目が離せなくなっていた。
手塚越しには一度顔を擡げたのか、リョーマ特有の柔らかな猫毛がふわりと揺れていた。

はあ、という溜息と、肩を竦める気配。

「しょうがないな」
「やった!」


『ぶ、ぶぶぶぶ、部長っ!?一言で承諾っすか!!?』


愕然、という言葉がこの時の彼にはぴったりであっただろう。
それを象徴するかの様にかっくりと口は開いたままになっていた。

「じゃ、後ろ向いて。で、ちょっと腰折って」

やけにうきうきと弾んでリョーマの声が聞こえるのは気のせいだろうか。

彼がまだ驚きから解かれないでいるそのうちに目の前で手塚が反転した。
丁度眉と眸の間の部分が自分の視界の目の前に来た。
思わず、彼は目を逸らした。
手塚と視線がかち合ってしまいそうだったから。

彼の心配を余所に手塚が彼に気付いた気配はない。

布が肌を擦れる音がする。
手塚がぴくりと小さく動いた。

リョーマが、手塚の背後から多い被さるような態勢で手塚の上身の衣に指を忍ばせたのだった。
始めを背中を摩るように腰から撫で上げ、肩甲骨の辺りまで来たところで指は脇を辿って胸に触れる。
的確に、中心の突起を捉えた。

「あ…っ」

彼には、リョーマの動きは手塚が影になって見えない。
代わりに、悩ましげに眉根と瞼を寄せる手塚の顔がアップで映り、嬌声がすぐそこから聞こえる。

「気持ちイイ?」
「聞くな…馬鹿…っ」

囁く様なリョーマの雄の声。
そして、伏せられていた眸がうっすらと視界の目の前で開いた。それは剰りに誘惑の色香で満ちながら濡れていた。
幸いにも、手塚の視線は正面を見据えるのではなく、背後のリョーマに向けられていた。

「っあ………うんっ」

手塚の眸がまた閉じられる。
そしてロッカーの中の自分のやや頭上で、カリ、と微かな音がする。
手塚が堪え切れずにロッカーに爪を立てた音だった。
何かに縋ろうとするかの様にその音は何度も鳴った。

彼には見えていなかったが、リョーマは手塚の背に唇を落とし、少しずつ下降して行っていた。

手塚の身が震える。
それに呼応するかの様に自分が納まっている箱が微かに震えていた。

彼は、もう声など出せなかった。
食い入る様に、目の前の光景に視線を奪われていた。
息も荒く、喘ぐ手塚の様相に。

手塚の影で、リョーマは双丘まで辿り着いていた。
その奥に潜む蕾へそっと舌を伸ばす。
それが触れた瞬間に一際大きく手塚の躯が跳ねた。
反動でロッカーが大きく揺れる。

彼はごくり、と唾を飲み込んだ。

ぴちゃり、ぴちゃりと何かを舐めているらしい卑らしい音が絶え間なく聞こえる。
そしてそれと連動して手塚の甘い声もあがる。身も震える。
自分を囲う箱も微動する。

どくん

心臓が耳のすぐ隣にでもあるかの様に鼓動が五月蝿い。
けれど、淫らな水音と手塚の聲はその隙間から耳に入ってくる。

「えちぜ…ん。…やっ……も……イ、ク…ッ……」
「オレも…イキそ…」

どくんどくん

耳元で囁かれる様な見知った二人の荒い息遣い。
鳴り止まない自分の跳ね上がる鼓動。
下肢もじんわりと熱くなってきていた。

「二人で一緒にイこ…?」

不意に手塚の肩越しにリョーマの顔が映る。
緩やかに瞳を閉じ、愛しい者を宥める様にその耳元へと囁く。
その間も手塚の躯は痙攣を起こしたかの様にぴくりぴくりと小さく弾んでいた。

どくりどくりどくり

自分が囁かれている訳でもないのに、ましてや囁いている訳でもないのに脈は加速した。


どくどくどくどくどくどくどく


隙間なく鼓動が波打ったその刹那。

それまで伏せていたリョーマの眸がぱっちりと開いた。
訝し気に歪むそのアーモンドアイ。


「桃先輩?何見てんの?」















「すいませんっっっっっっっっっっ!!!」

ガバリ。

桃城は身を起こした。

「英二せんぱーい、桃先輩起きたッスー」
「へ?」

先程とは打って変わった耳慣れた声音に瞼を大急ぎで開いた。
目の前には雲一つない晴れ渡った青空。
太陽がほぼ真上にあるから正午辺りなのだろうか。

「お、桃起きたかー!!無事で何よりー!!」

ぴょんぴょんと跳ねる様に向こうから菊丸が駆けて来る姿と、目線よりやや高い位置でリョーマが向かって来る菊丸の姿を見ている姿が正面に見える。

「え?あ…俺…?」
「オレのツイスト、顎に見事にクリーンヒットして気絶してたんスよ。覚えてないんスか?」

半眼を閉じ、怪訝な様子でリョーマが見下ろして来る。
いつも通りの生意気なルーキーのその姿に何故か桃城は心の底からの安堵を感じた。

「そっか、夢か。ハハハ、そうだよな、越前と部長が部室で立ちバックとかな」

ははは、と快活に続けて笑おうとした桃城に、リョーマは目を剥いた。

「え…昨日の、まさか、見てたんスか…?」
「は…?」



意識、急降下。



「わーっ!また桃が気絶したーーーっ!!!」
「……まさか見られてたなんて…。部長にばれたらもうやらしてくれないから黙っとこ…」























ここにいる。
桃が。
リョ塚のエッチシーンに。
エロ部分、色々すっとばしてますが☆
ははは、なまぬるいなー
部室は標準装備、リョ塚で立ちバック、ロッカでも掴め、という某方とのお喋りから発案。

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