えー、こちらはギブアップエイチの説明コーナーでございます。
こちらを御覧になっている、ということは、やっぱり判りにくかったでしょうか…うう、すいません、善処しますので今後とも宜しくお願い致します。
本当に文字書きとして説明文作るとか、ねえ、もう羞恥の極みなんですが、この際四の五の言ってられません。
ということで、本文につっこみながら説明させて頂きたいと思います。
すでに日もとっぷりと暮れ、辺りには宵が充ち始めていた。
そんな中で、二人の影が揺れる。
酷くお互い焦燥した様子(二人とも空腹すぎてるんです)で。
「越前、どこに手をつけてる」
「どこって、アンタの」
この事態(自分の分のチキンをリョーマに手を付けられている事態です。手塚も腹が減っているので自分の食べる分を取られるというのはイタイ)に堪らず手塚が口火を切るが、リョーマは意に介さず、といった風体で飄々と言葉を躱す。
触れられたくないソコ(好きな腿肉チキン)に手を伸ばされて、手塚は拳を握る力を込める。
「そこは…やめろ」
懇願めいて(俺が食べたい、と実は思っている)弱々しく(食べたいとは思っているけど、明から様に食べたい!とは言えない躾のいい手塚)リョーマに告げてみるが、やはり彼は手塚の言葉を聞く耳は持ち合わせていなかった。
寧ろ、ギリ、と眦の力を強める。
「なんで。いいじゃん。オレ、ここがアンタの中(手塚が抱えているチキンの箱の中)で一番好きなんだけど」
「今は…駄目だ。(手塚も腹が極限まで減っているので)…………よせと、言って…っあ!(内心すごく食べたかった腿チキンをリョーマに取られたのでついつい出てしまった一言)」
どうにも止められない衝動(食欲)を押さえきれなくて、リョーマはソレ(腿肉チキン。手塚の分)を掴んだ。
堪らず、手塚から短く声が上がる。
その声に自身で羞恥を覚えたのか、(食い物の事程度で大人げない、と思っている)手塚は口元を片手で覆って瞑目した。
「へぇ、アンタでもやっぱり恥ずかしいんだ。いいじゃない、偶には素直になってみたら?
アンタもここ(腿肉チキン)がイイんでしょ?」
握ったまま、ソレを顎で指し示すと手塚が薄く目を開いた。
何かを乞う様な瞳。(頼むから腿肉だけは食うな、という目)
けれど、今リョーマにその望みを叶えてやることは不可能そうだった。リョーマもリョーマで未だ(空腹が)満たされていない。
今ここで、手塚に許してしまう訳にはいかない。
「何とか言ったら?素直に(「それだけは食べるな。俺が食べたいから」と)声に出した方が身の為だよ」
「そんなこと……っ…!…………できるか」(食べたい、と食欲を露にすることが恥ずかしい)
何かを必死に耐えるように(つまりは込み上げて来る腹の音)手塚の眉根が寄って眉間に大きな皺を作る。
そんな手塚にリョーマは愉悦気味に目を細めた。
「でも、アンタももう限界でしょ?(空腹の度合いが)もっと縋ってみなよ。そうすれば考えてあげないこともないよ?」
握ったままのソレ(腿肉)にリョーマが唇を近付けると、手塚の体がピクリと跳ねた。(食べるなー!という内心の現れ)
しかし、それにすらも羞恥を覚えて、躯を鎮めるべく自らの肩を抱く。迫り上がって来るもの(腹の音と食欲)を抑え込もうとするその貌は苦痛の色さえ帯び始める。
「ほら、どうなの?欲しいんでしょ?なら、言ってみなよ、その口で」
ねえ、と再度促してみるが、手塚は瞳の色を強くするだけだ。
リョーマが欲しいものは沈黙ではない。
理性を取り去った手塚の生の言葉だ。(それが食べたい!という)
いつもは厳格で剛く、甘えを許さない人。
そんな手塚でもどうしても抑えきれないものもある。(それは食欲。いや、手塚なら食欲も抑えそうですけどね)
色んな彼の一面を見て来たリョーマだからこそ、最後のその箍を外してみたくなる。
――欲(食欲)に狂って堕ちた手塚を見てみたい。
ただ、それだけの為にリョーマは手塚を焦らせて惑わせて。
当のリョーマだって早く貪りたい。しかし、これは賭けだ。
(チキンを)喰らってしまうか、喰らわれてしまうか。
「アンタもよく我慢が続くね。そんなにオレに(このチキン(腿肉)を)食べられたいの?」
もう一度唇を擦り寄らせると、邪念を立ち切ろうとでもいうかの様に手塚が先程よりも深く目蓋を下ろす。
「それとも、こんなのどうでもいいって訳?」
「………」
「…ああ、そう、どうでもいいんだ。じゃあ、美味しく頂かせてもらうよ」
言様、動いたリョーマの元で肉が引き裂かれて行く微かな音(腿肉にかぶりついて肉を食べる音)がする。
それに悲鳴をあげそうになる(食べたかったのに!という悲鳴)のを手塚は必死に押し殺してやり過ごす。
けれど、鳴り止まぬその音に遂に我慢の糸が切れた。
「お前は!どれだけ食べたら気が済むんだ!」
「オレまだお腹空いてるんだもん。それに、フライドチキンはやっぱり腿のとこでしょ?」
「だからって人の分にまで手を付けるな。お前の分は全部食べただろうが」
リョーマの一方の手にはリョーマの分として買い与えられたチキンが入っていた箱が入った袋が握られている。
それを大業に振ってみせると既に中身は骨だけとなっていたそれは大きくゆらゆらと揺れた。
そして、もう一方には手塚の持つ箱―つまりは手塚の分だ―からくすねたチキンの骨が握られている。
まだ食べかけで、若干骨に肉が纏わりついている。
「だって、アンタってば全然食べないから要らないと思うじゃない」
「歩き乍ら食べる奴がいるか。もうじき家に着くんだからそれまで待てないのか」
「そんな事言うなら、『それは俺が食べたいからお前は食べるな』の一言でも言えばいいじゃん。どうしてそんな変なとこで恥ずかしがるの」
「そんな卑しい真似ができるか!」
「欲しいもん欲しがることのどこが恥ずかしいっていうの!しかも、あれでしょ、部長。部長ってば腿の方が好きでしょ?オレが腿肉掴んだ瞬間に声あげたし」
「………」
「『腿だけは食うな』って意味でしょ?そこだけはヤメロって」
「………」
「お腹が猛烈に空いてる時に自分の好きなもの食べるのって幸せだもんねー。あー美味しかった。もう一本食べていい?」
「……駄目だ。俺が食べる」
「さっきもそれぐらい素直に言えばオレだって食べなかったのに。ゴージョーなんだから」
自分の手の中の箱を死守するように手塚は箱を握る手の力を更に込め、リョーマはまだ残っていたチキンを齧り出して家までの歩を進める。
姿を現し始めた月がそんな食欲に駆られた二人の頭上に輝いていた。
うん、こういう感じです。
設定としては、二人でチキンを買いに行った帰りです。
リョーマは歩きながら食べちゃったんですが、手塚は家についてから食べようと思っています。
こ、これでご理解頂けたでしょうか?
すいません、バカな設定つくりまして…(陳謝)
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