ファーストインプレッションでこんなに俺の心臓、鷲掴みにしたやつ。
青学テニス部テニスコート。
俺が入部したてで、2年の荒井が噛み付いてきたところに響き渡った声。
「コート内で何をもめている。」
現れたのは青学テニス部部長、手塚国光。
「騒ぎを起こした罰だ。そこの二人グラウンド10周!」
そう、手塚部長が言い放つ。・・・怒声も、なかなか。
ちなみにその後、荒井が手塚にくってかかり、俺達の走る距離はグランド20周になっていたりする。
俺は素直に、荒井はどこか文句ありそうな顔でグラウンドを走った。
荒井に差を置いてグラウンドを走りながら俺は考えていた。
(・・・・どうやったら落とせるのかな、あの人)
あんな、ほんの一瞬の出会いだったけど、あの人に俺が恋に落ちるまでは充分過ぎる時間だった。
俺は、手塚部長に一目惚れしていた。
結構、俺の理想ってなかなかいないと思ってたんだけどな。
ここに惚れたっていう取り上げるべき点はわかんないんだけど、第六感ってやつ?にビビビって来ちゃったんだよ。
・・・運命、かな。
やっかいな1年が入ってきた。
名前は越前リョーマ。
何が厄介かと言えば、部活中、奴からずっと視線を感じている。
これぐらいで集中力の途切れる俺ではないが、あまりに度が過ぎる。
・・・・一言、言っておかないと駄目か。
「越前」
部活の終わりの号令をかけてから、当番制の掃除に当たろうとする越前を捕まえ、声をかけた。
「なんスか?」
「着替えが終わったら、ちょっと待ってろ。話がある」
そういう俺の言葉に、何故か嬉しそうな越前の顔。・・・?
「わかりました。さっさと掃除終わらせるッス」
そう言って、越前はどこか浮き足立ちながらコートへ駆けて行った。
あの部長からお誘いがかかった。
話があるから部活後待ってろだなんて、なんか、期待しちゃうよね。
と、期待に胸膨らませながら待っててくれた部長に駆け寄ったら、
「お前、部活をやる気はあるのか?」
だって。
いつも部長を見てるのに気付いてたみたい。度が過ぎるってさ。
なにそれ。
好きな奴見てたらダメな訳?
こっちは見てるだけでも幸せなのに、それすらダメな訳?ねえ。
俺の中で、何かがキレた
「やる気があるのなら、よそ見ばっかりしてないでもっと真面目に取り組め」
「・・・好きな人、見てて何が悪いんスか」
越前が呟く。好きな人?
「もう、この際だから言っちゃいますけど、俺、手塚部長が好きです。
だから、部活中ずっと見てました。」
止まらない、とでも言うように、そこまでを越前は一気に言いのけた。
・・・・待て。・・待て。ちょっと待て。
「・・・・返事は、まだ後で構わないっす」
最後に残りの息を吐き出すように越前はそう言って俺に一礼をしてから身を翻して去っていった。
俺は、といえば・・・
呆けたまま、その場に立ち尽くしていた。
一体、どうしろというのか。
やっぱり、厄介な奴がはいってきた。
部活にも、俺の中にも。